○2016〜2017年度 現代史研究会 会員総会および11月例会(合評会)
日時:2017年11月18日(土)13:30~
会場:明治大学駿河台キャンパスリバティタワー7階 1075教室
1. 総会 13:30~14:00
2. 合評会 14:00~17:00
〇クリストファー・クラーク著、小原淳訳『夢遊病者たち-第一次世界大戦はいかにして始まったか』(みすず書房、2017年)合評会
評者:西山暁義(共立女子大学)、渡辺知(東海大学)
リプライ:小原淳(早稲田大学)
○2016〜2017年度 現代史研究会 7月例会
日時:7月15日(土)14:00~
場所:成城大学 3号館3階 小会議室
報告タイトル:「第一次世界大戦期ドイツのカトリック戦場司牧――バイエルン軍従軍司祭の活動を中心に」
報告者:尾崎修治氏(静岡県立大学)
コメンテータ:丸畠宏太氏(敬和学園大学)
報告概要:
本報告は、第一次世界大戦の戦場で、カトリックの従軍司祭が兵士のためにおこなった司牧活動について、ドイツ、バイエルン軍の事例を中心に考察する。
従軍司祭は、軍隊生活のなかで定期的にミサを執り行いつつ、ひとたび戦闘が始まれば、出陣前に兵士を鼓舞する説教をおこない、彼らのために秘跡を授け「神の加護」を祈り、野戦病院では傷病兵に寄り沿い、彼らを「神のもと」へと送り出し、埋葬に立ち会った。
そうした、従軍司祭の活動とその心性の考察を通じて、戦争における宗教の役割を考えたい。
○2016〜2017年度 現代史研究会 6月例会
日時:2017年6月3日(土)13:00~
場所:東京大学本郷キャンパス、法文1号館1階114教室
第一報告タイトル「明治初期日本における廃藩置県と藩債の継承」
報告者:小林延人氏(秀明大学)
コメンテータ:小幡圭祐氏(慶応義塾大学・日本学術振興会特別研究員PD)
報告概要:
近世期の日本(17~19世紀半ば)では、両替商などの商家が各藩に貸付を行っていた(大名貸)。
ところが、明治維新の過程で版籍奉還(1869)と廃藩置県(1871)が断行され、領主権力としての藩は消滅することとなる。 その際、明治維新政府は一部の藩債を政府の債務として継承し、一部の藩債を棄捐する藩債処分を行った。
本報告では、①公権力による財産権の保護という観点から、そして②近世期の資本蓄積を近代に持ち越すという観点から、大名貸の展開と藩債処分の商家への影響を分析する。
第二報告タイトル「第一次世界大戦直後のオーバーシュレージエンにおける分離主義運動」
報告者:衣笠太朗氏(東京大学大学院・日本学術振興会特別研究員)
コメンテータ:篠原琢氏(東京外国語大学)
報告概要:1920年の1年間において、ドイツとポーランドからの独立を目指す当該分離主義者が、パリ講和会議とヴェルサイユ条約、ポーランド側の蜂起などを経る中で、どのような活動を展開したのか検討する。
○2016〜2017年度 現代史研究会 4月例会
日時:2017年4月15日(土)14:00~
場所:明治大学駿河台キャンパス猿楽町校舎3階・史学地理学科共同演習室
【報告概要】
報告タイトル:「歴史を展示する―エノラ・ゲイ展にみるアメリカ合衆国の太平洋戦争観」
報告者:藤田怜史氏(明治大学)
コメンテータ:川口悠子氏(法政大学)
報告概要:
2016年6月、アメリカ合衆国の現職大統領としては初めて、バラク・オバマが原爆投下後の広島を訪問した。彼がそこで、第二次世界大戦が「残酷な形で」終わったと述べたことは、アメリカにおける戦争観の変化を示唆したように思われる。
本報告は、その約20年前に国立航空宇宙博物館が計画し、保守的・愛国主義的な圧力によって頓挫させられたエノラ・ゲイ展に着目する。これまでエノラ・ゲイ展に関しては、それを中止せしめた側の戦争観が注目されてきたが、本報告は、博物館側が示そうとした二次大戦像のなかに、上述した戦争観の変化の起源を見出すものである。
とりわけ、大戦中に大規模に展開された戦略爆撃について、博物館がどのような展示を試みたかに注目したい。そこに、オバマ元大統領が「残酷な形で」戦争が終わったと述べたこととのきわめて強い関連があると考えるからである。
○2016〜2017年度 現代史研究会 3月例会
日時:2017年3月29日(水)14:00~18:00
会場:明治大学駿河台キャンパス研究棟2階 第9会議室
【合評会】
近代ヨーロッパ史における宗教研究の意義を考える——『近代ヨーロッパとキリスト教——カトリシズムの社会史』(勁草書房、2016)を手がかりに
評者 関 哲行氏(流通経済大学)
松嶌明男氏(北海道大学)
井上茂子氏(上智大学)
概要
「世俗化のトップランナー」とみなされてきた近代ヨーロッパ。しかし近年では、歴史を動かし社会を形作る要因としての宗教に関心が寄せられつつある。
昨年刊行された『近代ヨーロッパとキリスト教——カトリシズムの社会史』(中野智世・前田更子・渡邊千秋・尾崎修治編著、勁草書房、2016年)を手がかりに、ヨーロッパの中世史、近代史、現代史の各領域から3人の評者を迎え、近現代史において宗教を研究対象として俎上にあげることの意義と可能性、課題、そして困難について、幅広く議論する場としたい。
*本例会は、科学研究費助成事業基盤研究(B)「近代ヨーロッパ社会の形成・変容過程における宗教の役割――カトリシズムの社会史的考察(課題番号26284117)」との共催で行われました。
○2016〜2017年度 現代史研究会・東欧史研究会 12月合同例会
日時:2016年12月17日(土)13:30 ~17:30
会場:國學院大學 120 周年記念 1 号館 3 階 1304 教室
【合評会】
1. ヤーン・ユリーチェク著、長與進訳『彗星と飛行機と幻の祖国と――ミラン・ラスチスラウ・シチェファーニクの生涯』 (成文社、2015 年)
評者:香坂直樹氏
リプライ:長與進氏
2. ヘルムート・ラインアルター著、増谷英樹・上村敏郎訳『フリーメイソンの歴史と思想――「陰謀論」批判の本格的研究』 (三和書籍、2016 年)
評者:水野博子氏
リプライ:増谷英樹氏、上村敏郎氏
○2016〜2017年度 現代史研究会 11月例会
日時:2016年11月23日(水)13:00~
会場:明治大学駿河台キャンパス・リバティタワー15階1154教室
○第1報告
アンドレア・シュトゥルツ (Andrea Strutz) 氏(ルートヴィヒ・ボルツマン研究所歴史部門研究員)
Flucht, Vertreibung und Erinnerung: Intergenerationelles Gedächtnis in Familien österreichisch-jüdischer Vertriebener(「亡命、追放、想起―オーストリア・ユダヤ系被追放者家族の間世代的記憶―」)
概要:
本報告では、1938年のナチ・ドイツによるオーストリア併合後に生じたユダヤ系住民への迫害と、その迫害を逃れてニューヨークに渡ったオーストリア・ユダヤ系家族 における間世代的記憶を検討する。とくに、故郷とそこからの追放、人種的迫害の体験が、移住先で子や孫にどのように語り継がれ、家族の記憶を形成しているのか、聞き取り調 査に基づき考察する。
コメンテータ:木村真氏(日本女子大学)
○第2報告
モニカ・シュトロームベルガー(Monika Stromberger)氏(グラーツ大学講師)
Der Zweite Weltkrieg in der Gedächtniskultur Sloweniens und Österreichs. Ein Vergleich von Erinnerungsräumen in der unmittelbaren Nachkriegszeit
「スロヴェニアとオーストリアの記憶文化にみる第二次世界大戦―戦後初期における記憶空間の比較から―」
概要:
本報告では、旧ユーゴスラヴィアのスロヴェニア共和国とオーストリア・シュタイアーマルク州の記憶言説とその実践について、第二次世界大戦後から1960年代までを 比較検討する。とくに、語りの枠組みとしての「冷戦」と、理論的な基盤としての記憶空間論(アライダ・アスマン)を手がかりに、「英雄像」と「犠牲者像」の構築とその過程 における追悼の役割について考察する。その際、具体的な記念碑を参照し、社会主義と自由民主主義共和国の間には一見するよりも多くの共通性があることを示したい。
コメンテータ:山崎信一氏(明治大学)、藤井欣子氏(東京外国語大学)
※2016年~2019年度科研費(基盤研究(B))「青いウィーンにみる「最底辺」社会層の生活史―「下」からのグローバルヒストリー研究」(代表:水野博子) 及び明治大学西洋史ゼミとの共催で開催いたしました。