「例会」カテゴリーアーカイブ

2014-2015年度の例会

○2014~2015年度 11月例会(合評会)
日時:2015年11月21日(土) 14:30~18:30
会場:明治大学神田駿河台キャンパス(御茶ノ水)リバティタワー8階1084講義室
小澤卓也・田中聡・水野博子編『教養のための現代史入門』(ミネルヴァ書房、2015年)
合評会評者:高田馨里氏(大妻女子大学)、清水明子氏(慶應義塾大学)、鄭栄桓氏(明治学院大学)
リプライ:小澤卓也氏(神戸大学)、田中聡氏(立命館大学)、水野博子氏(明治大学)


○2014~2015年度 会員総会および10月シンポジウム
日時  2015年10月24日(土)13:30~18:00
会場  明治大学駿河台キャンパス 研究棟第一会議室
1.会員総会 13:30~14:00
2. 10月シンポジウム 14:00~18:00
(1) タイトル 「オーストリア国民」を考える
(2) 報告者(敬称略) ・趣旨説明:小沢弘明(千葉大学)
・第1報告:古川高子(東京外国語大学)「戦間期オーストリアにおけるナショナル・ツーリズム」
・第2報告:鈴木珠美(東京外国語大学)「国民にすることと国民になること――ティロール南部における国籍選択政策を例として――」
・第3報告:江口布由子(高知工業高等専門学校)「東中欧のナショナリズムをめぐる近年の議論」 ディスカッション
(3) 趣旨文
 オーストリア国民は、政治史的に言えば、ハプスブルク帝国崩壊後の1918/1919年の合邦運動、1938年のドイツによる併合の経験を経て、1943年のモスクワ宣言を通じて形成されたと言われる。この過程は、「ドイツ国民とは異なるオーストリア国民」という観念の成立過程と見ることができる。第二次世界大戦後の永世中立という国際環境や社会国家(オーストリア・ケインズ主義)の形成は、オーストリア国民の浸透・確立に大きな役割を果たした。ここから、ドイツ文学と異なるオーストリア文学、ドイツ史と異なるオーストリア史などの文化的諸観念も生み出されたと見てよい。 しかし、このようなオーストリア国民に立脚した歴史認識において、ドイツ国民とオーストリア国民の差異、オーストリア国民と地域社会や東欧との関係、そもそも国民概念を歴史分析のツールとして使用しつづけることの妥当性、などの問題群は十分検討されてきたとは言えない。本シンポジウムでは、新たにこうした問題群の検討に必要な視点・方法を提言するため、3本の報告を用意した。この議論を通じて、オーストリアに限定されたケーススタディではなく、「国民史」一般や「現代史」一般を理解していくための諸概念も再検討されることになろう。(文責:小沢弘明)

*このシンポジウムは2013年度~2015年度科学研究費基盤研究(B)「20世紀オーストリアにおける地域社会の変動と国民意識の再編」(研究代表者:小沢弘明、研究課題番号:25284142)の一部成果に基づきます。


○2014~2015年度 7月例会
日時:2015年7月18日(土) 15:00~18:30
報告者:末次圭介氏(東京大学大学院博士課程修了、翻訳・通訳者)
報告タイトル:「アルザス自治主義者による第二次世界大戦中における『対独協力』および『抵抗活動』」
コメンテータ:西山暁義氏(共立女子大学)
会場:法政大学 市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー25階C会議室
報告概要:
本報告では、発表者が東京大学大学院総合文化研究科に提出し学位を取得した博士論文の内容に基づきその概要を発表する。第二次大戦中、ドイツ併合下のアルザスにおいて、戦間期のアルザス自治主義者が行った「対独協力」およびナチズムへの「抵抗」について、その展開や特徴、背景などを明らかにし再評価する。自治主義運動とは第一次世界大戦後、フランス政府の強引なアルザス同化政策に反発し帝政ドイツ時代の文化的権利や自治権継承などを要求する運動で、民族自決権思想を柱として戦間期に発展したが、独仏両政府からの介入やファシズムの影響を必然的に受けてきた。ナチ支配下のアルザスで彼らはどういう役割を果たしたのだろうか。さらに、彼らの役割が戦後どのように評価され影響を及ぼし、現在のアルザスに受け継がれているかも含めて紹介していきたい。


○2014~2015年度 6月例会
日時:2015年6月13日(土) 14:30~17:30
報告者:市川智生氏(長崎大学)
報告タイトル:「近代日本の開港場における公衆衛生と外国人居留地 1859-1899」
コメンテータ:磯部裕幸(秀明大学)
会場:法政大学市ヶ谷キャンパス・ボアソナードタワー19階D会議室
報告概要: 本報告では、明治期の開港場における感染症対策について、日本人社会と居留地社会がどのような連携(あるいは緊張)関係にあったのかに着目する。長崎、横浜、神戸は、開港の経緯や居留地自治の形態などに相違があり、それが感染症対策にどのような意味をもったのかという点を明らかにしたい。


○2014~2015年度 5月例会
日時:2015年5月24日(日) 14:00~17:30
会場:法政大学市ヶ谷キャンパス・ボアソナードタワー25階B会議室
報告者:昔農英明氏(明治大学)
報告タイトル:「現代ドイツにおける難民の庇護と管理の論理」
コメンテーター:久保山亮氏(専修大学)
報告概要:
 ドイツでは、2004年の移民法成立以降、連邦政府が移民を公式に統合の対象とする政策を打ち出すようになった。他方で政府は人道的な保護が必要な移民(難民や非正規移民)の出入国管理をより厳格化する政策を策定しているほか、(福祉)排外主義運動も活発となっており、移民の受け入れと排除の双方が際立っている。本報告では、こうした現状を踏まえ、脱国家化、超国家化、再国家化を鍵概念として、第二次世界大戦後から現代にかけて「非移民国家」から移民国家へ転換した、ドイツにおける難民受け入れ政策、移民政策の変容過程を明らかにする。その際に、連邦レベルの政策策定の議論と市民社会における難民保護である教会アジールに照準して、難民政策や統合政策めぐる言説、難民保護の実態を分析し、ドイツを含む現代先進諸国における出入国管理、統合政策の論理の一端を明らかにすることにしたい。

臨時総会報告
議題:院生委員へのアルバイト代支給について

現代史研究会運営委員会の大学院生委員へのアルバイト代支給について審議し、出席者の賛成多数で承認された。これにともなって、当該アルバイト代支出及び急な支出に対応することができるようにするため、 2014/15年度予算案に予備費10万円を計上することが運営委員会より提案され、審議の結果、承認された。 なお、今年度のアルバイト代は、庶務3万円、会計3万円、ホームページ係2万円とする旨、同委員会より提案があり、これについても承認された。